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DONALD BYRD (ドナルド・バード)
DONALD BYRD 「AND 125th STREET N.Y.C」(1979年)"
今やアフロアメリカン研究の第一人者として、大学教授としての肩書きのほうが名が
通っている感もあるドナルド・バードの1979年発表の名盤。アーニー・バーンズの「Untitled Painting」がジャケットワークスとして採用されている。この絵が発売されないものかと、一ファンとして願う。バードは1932年デトロイトに生まれ、ジャズトランペッターとして活躍。
名門ブルーノートにて腕を磨く。前述の様に彼はミュージシャンと教授
という「二足の草鞋」で有名なのだが、殊にブラックカルチャーの歴史、
アフリカンアメリカンの公民権運動の研究等を長年ライフワークとしている
がゆえ、レアグルーヴ〜現在のヒップホップ世代も含めミュージシャンのみ
ならずアフリカンアメリカンの精神的支柱として非常に大きな存在だということ
はここ日本でもあまり知られていないであろう〜。
本作のみならず60年代より多数の佳作を発表している彼だが、個人的には彼の
プロデュースワークが面白い。
ハワード大学にて教鞭を執っている頃の教え子達を束ね、あの「ブラックバーズ」として
デビューさせたのは有名な話。これまた、ブラックバーズが最高で、正直これといった
ビッグヒットには恵まれなかったが、それが不思議なくらい魅力的な楽曲群を発表している。
確かに派手さも、時代に迎合するような面も無かった(敢えてしてない)のでどちらかというと
玄人好みの作品が多いのかもしれない。
それもそのはず、ドナルド・バード仕込みのジャズの素養を持った実力派の若者を揃えた
メンバーなので、腕は確か。しかも、時代に合わせた 軽めの踊れるファンクや軟派な奴は
どけと言わんばかりのバードのスタンスをすべて注入されたいわば「分身」ということもあり、
通な業界関係者、ディープなソウルファンには絶大な支持を得た。
そんなバード以下ブラックバーズの面々にもレコード会社より、お約束の
「セールスを伸ばせ!」「音楽性を変えて売れる音作りをしろ!」と職人泣かせのリクエスト
があった。そこでバードは当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった ジョージ・デュークに一切を預け、
1980年名作「BETTER DAYS」が完成。
ディスコ〜ブラコンという洒落た音作りにはかけては右に出るものは居ないという
デュークサウンドだが、流石!バード一家。ただ小シャレた音に終始するわけではない。
いぶし銀根性は全く失せてはおらず、丁度、極渋ベテランWHISPERSがLa'Faceチーム
による「ROCK STEADY」といった良質の変化である。珠玉のダンスナンバーからまったり
ミディアムが多数揃う作品で、念願のバード一家最大のヒットを勝ち得た。
こうした、わが道を行くというようなバードの音楽人生であるが、どこか日本で言うところの
松尾芭蕉に似ている。多くの弟子に慕われ、人生ゆっくりあせらずコツコツとといった風情
がそれである。ドナルド・バードほど「いぶし銀」「職人」といった響きが似合うミュージシャンは居ない。
BLINDSIDE MUSIC 宮野哲平








